体脂肪の役割を正しく理解しよう 1
体脂肪の悪い面ばかりがクローズアッブされているといいましたが、
では、体脂肪の役割とはなんなのでしょう。
まず、その良い面について考えてみましょう。
脂肪は優れた保存エネルギーだ
わたしたちは活動するためのエネルギーを食べ物から得ています。
現代の日本では、飢餓的な状況というものが想像しにくくなっていますし、
「飽食の時代」とまでいわれる食環境が整っています。
しかし、長い人類の歴史から見れば、それはつい最近実現した環境でしかないといえます。
わたしたちは長い間、わずかな食料しか得られない状況で、生活してきたのです。
そのため、わたしたちの身体は、食ぺ物を摂取した後の
エネルギー蓄積をできるだけ大きくし、
反対にエネルギー消費をできるだけ小さくするようにつくられてきました。
これは環境に適応する形での進化なのです。
そんなわたしたちにとって、脂肪は保存エネルギーのもっとも代表的な形といえます。
わたしたちは、生存のためのエネルギーを脂肪という形で体内に保持しやすく、
しかもそれを簡単には放出させないという生理的特徴をもっています。
その意味では、脂肪を人類が進化の過程で身につけてきた
知恵と呼ふこともできるのです。
また、男性は狩りに出かけるために筋肉がつきやすい体で、
女性は狩りに出かけた男性を待つため高たんぱくのエネルギーが得られないので
エネルギーを保持できないので脂肪がつきやすい体質になっています。
生体機能に欠かせない脂肪の役割
では、エネルギー貯蔵のための細胞として、
脂肪細胞にはどのような特徴があるのでしょう。
まず、あげられるのは大きくなったり、小さくなったりするということです。
正常の脂肪細胞は直径が10ミクロン(1分の1ミリ)ほどですが、
大きくなると直径は10〜30倍にまでふくれあがります。
また、エネルギー源として消費されれば、もとの大きさより小さくもなるのです。
いわば伸縮自在な貯蔵庫というわけで、緊急時に対応する備えとしては、
実に優れた存在といえます。
また脂肪細胞は結合組織の成分でもあります。
この結合組織は、臓器や神経、骨などの間を埋め臓器が下に下がってしまうことを
防いだり、ショックを吸収して神経を保護したりしています。
クッションのような役目を果たしているわけです。
その上、体温調節でも重要な働きをしていますし、
自らが豊富なエネルギー源として利用されることで、たんばく質を身体づくりに
専念させるような、側面からの援助も果たしています。
スポンサード リンク